2014年9月26日金曜日

ニコンDfに似合うレンズ、こんなのはいかが? ~ペッツバールレンズのレビュー~




 さて、今回はクラシカルなスタイルがとても素敵なニコンのカメラ、
「Df」に似合うレンズはどんなものがあるかなぁ、と、日々妄想を膨らませている方も多いと思うんですが
「見た目が似合う」という点においてはかなりポイントが高いと思われる、こんなキワモ・・・・・・
・・・・・・ゲフンゲフン、とても個性的なレンズを入手しましたので、感想文と作例を載せておこうと思います。






NIKON Df+Petzval Lens

「NIKON Df+Petzval Lens」





かっこいいでしょ?



この真鍮製レンズは「ペッツバールレンズ」と申しまして、
今から170年以上も前の1840年に誕生した伝説のレンズを
「ロモグラフィー」という、なんというか、とても独特なノリの人達が復刻させようと企み、
ロシアのZenit社にて一本一本手作りされたものだそうです。



絞りは上写真の手前に並んでいる穴の開いた板をレンズ上部のスリットに差し替える事で変更し、
ピントはレンズ横についているネジを回すことで合わせます。


すごく高級な「学研の科学」などの付録みたい、レンズの原理が体感できて面白いですね(^^)


(上写真に写っている星形や六角形の絞り板はプレオーダー時に注文するとおまけでついてきましたが、
今、普通にレンズを注文すると別売りになっているようです)


・・・・・・ちなみにレンズキャップはただかぶせるだけの代物で、
レンズを下に向けるたび「カラーン」「カラーン」と落ちますから、普段はつけない方が良いです(えー)



マウントはニコンFマウントとキヤノンEFマウントの二種類、
色は真鍮そのままとブラックの二色が用意されています。



(ロモグラフィーのペッツバールレンズ販売ページに飛びます→Lomography Art Lenses


※革カバーは「鳥井工房」さんが作られたもので別売りです これがあるからいよいよかっこいいのだ
     ↓
鳥井工房 ペッツバールレンズのケースとストラップ販売ページ





このレンズは85mmの開放F値2.2ですから、まさにポートレイトに適しているだろうと思うんですが、
その手の人物写真についてはロモのみんなが既に素晴らしい作品をたくさんネット上に展示してくれていますから
んじゃ、ここではいつも通り、普通の人が街を徘徊しながら普通にあれこれシャッター切ったら
まぁ、大体こんな感じの写真が撮れましたよ、というサンプルを何点か載せておきますので、
良かったら参考程度にご覧下さい。











 まずは撮ってそのまま、何もいじらずRAW→jpegです。
(現像ソフトは「シルキーピックス PRO5」、デフォルト設定のシャープも全部無しにしてある、と思います)


あぁ、そうそう、絞りは全て開放のf2.2です。
(写真によっては多少のトリミングはしてあります)





ペッツバールレンズ試し撮り ハナトラノオ?

「ペッツバールレンズ試し撮り ハナトラノオ?」

(花の名前は全然詳しくないので、間違ってたらガンガンツッコミ入れて下さい、お願いしますm(_ _)m)



↑ペッツバールレンズの購入を検討されている方は
この、安い焼酎で泥酔した時のようなグルグルボケの効果を狙っている方も多いかと思うんですが
グルグルボケはかなり条件が揃わないと、なかなかここまで盛大には出ないように思います。



・絞り開放
・レンズから被写体までと、背景までの距離バランスが丁度良い所を探す
・背景がゴチャゴチャした木々の葉っぱなどだとわかりやすい



など。


まぁ、デジカメだったらその場で写真を確認、何度でも撮り直しできますし
ポートレイト撮影だったらグルグルが出る位置までモデルさんに移動してもらえば良いから問題ないとは思いますが、
ただ、開放で撮りさえすれば背景のボケがいつでもどこでもグルグルする、という性質のものではないです。





シュウメイギク?

「シュウメイギク?」



↑もちろんこのレンズは「逆光に強いなんちゃらコーティング」なんてハイテク技術は施されておりませんから
ちょいと逆光を入れてお花など撮影してみるとご覧の通り、三途の川の向こう岸、みたいな幻想的な風景になります。

なんと言うか、21世紀に入ってから、この手の写真を久しぶりに撮った気がします。











↓絞り開放のまま、被写体から少し離れてごく普通にスナップ、で大体こんな感じです





邂逅

「邂逅」





邂逅 II

「邂逅 II」





邂逅 III
「邂逅 III」





写真の中心部だけがきちんと解像して、周辺部へ離れるほど歪んだりぼやけたりするので
パキッと精密に表現する最新のレンズに比べて視線が写真の中央に集中しやすく、立体感が出やすいようですね。

印象や記憶の世界に近い空気感と雰囲気のある写真が撮れるように思います。



ちなみにつまんない写真だから載せないけど、f5.6やらf8あたりの普通の絞りでは、ごく普通の写真に撮れます。
その手の作例は多分ネット上に誰かが載せててくれてるだろうと思うので、そちらをご覧下さい(え~)












なにかがおかしい 1

「なにかがおかしい 1」





クチビルゲ現る!!

「クチビルゲ現る!!」



魔人ドルゲをル~ロルロロ やっつけるん~だ ズババババ~ン♪(*´○`)o¶~~♪



・・・・・・まぁあれだ、このレンズは構図がどうのこうの、などと難しい事を考えている暇があったら
日の丸構図でサッサとパシャリ、とお気楽な使い方をするのが似合っているように思います。



例えば休日、とりあえず通りすがりの中華屋さんでビールと餃子をちょいとつまんでご機嫌な気持ちになったら
後は頭カラッポにして、「なんだこりゃ、面白い」「綺麗だな」など、ふと目に留まったものを
何も考えず、ドカンドカンとファインダーの真ん中に置いて片っ端から撮って歩く、なんてユル~い過ごし方をされると
気持ちがほぐれて、なかなか楽しいんじゃないかな、と思います(^^)










 以下は室内で落ち着きのない暴れ猫撮り、ほぼ最短撮影距離の1m前後。
こちらは色味などを多少自分好みに変えましたけど、まぁ、大体こんな風に写ります。





さぁ、どこからでも かかってらっしゃい!!

「さぁ、どこからでも かかってらっしゃい!!」





そいやっ!!

「そいやっ!!」





ほりゃさっ!!

「ほりゃさっ!!」





ぶえっ!!

「ぶえっ!!」



もちろん、動物に対してこの距離でこのレンズはすごく難しいので、こういう使い方はおすすめはしませんけど、
なにも必ずピンをピタッと当てなきゃいけない、という堅っ苦しいルールに縛られる必要もありませんので、
ベス単遊びとまではいかないかもしれませんけど、被写界深度内に収まらない所で表現される
このとてもフワフワ柔らかなソフトフォーカスを、わざと狙って使ってみるのも面白いかもしれませんね(´ω`*)











 このレンズで撮影された写真は、撮ってそのままでももちろん面白いんだけど、
画像編集ソフトで加工する素材としても、非常に面白いんじゃないかと思います。



ん~、例えばトイカメラ調のアレンジはとてもよく似合うだろうし、





ペッツバールレンズ試し撮り トイカメラ調

「ペッツバールレンズ試し撮り トイカメラ調」





あるいはフイルムカメラがお好きな方は、お気に入りのモノクロフイルムをポコンとカメラに詰め込んで
この柔らか~い表現に合わせて昔ながらの軟調に仕上げ、自分好みの綺麗なグレーが出るまで追求してみたり、
逆に何かうっぷんの溜まってる方は、そのマグマを指先と両目に込めて、
「写真撮影のお作法なんぞ知ったこっちゃねーや」と根底から知らんぷりしつつ
『provoke』時代の写真みたいに、目に見える世界の全てを自分なりの解釈で自由に切り取って表現してみたり、ね。





無題

「無題」





このレンズ、「ベテランでも初心者さんでも同じように高精細写真が撮れる」という
現代の超高性能レンズとは全く真逆で、例えば10人が10回、同じ所でシャッターを切ったとしても
同じ写真は一枚も撮れないんじゃないか、と、そんなふうに感じます。



そして細かい所が写り過ぎない、という事は、写真を見た人の想像力で補てんされる余地、
あるいは撮る人のセンスやイマジネーション、腕や気持ちの入る隙間がたっぷり残されている、という事で
とても自由度の高い、表現幅の広い、そして奥の深いレンズだと思います。





・・・・・・しかしあれだよね、ニッコールやツァイス等、現代の最新技術で作られた
超高性能レンズによる宝石箱のように綺麗で高精細な写真も、
大昔の大らかな時代に作られた、こんなに大きな声で自己主張する、個性たっぷりのレンズも
同じ一台のカメラで楽しめて、本当に、楽しい、良い時代になりましたね(´∀`)






2014年9月20日土曜日

ちょっと横になるわ
















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|                            .,, .,, ゙̄ヽ、iヽ |  ご  仲  大
|                         ,,. ゝ::::゙''::::::::::::|  結  間  江
|                __,,,..,,__,,.. ≦_;;;::::::::::::::::::::::| 婚  由  麻
|            ..,,.  -=二三_::::::;;';:  Z:::;;:::::::::::: | お  紀  理
|               i|^゙゙'' -::;;_::::::::::~7   ::;;::: "Z. ::;;;;| め  恵  子
|         __,,,,i|=-,,_  .ヾ ., / :::;;;::.. __ ....::::;;;;;;;| で  さ   さ
|        i「:::::::::: )~^''ヾヽ、 ~    /:: \   ''':::|  と  ん.  ん
|..         i|:::::::::::i| ゙゙゙゙̄''' =-!     \;::::::\   |  う.  :   :
|    ilヾ=r==ー=ッ  ; ' ' ' " " ≡   ヽ;:::::::ヽ,.''.|  ご  :   :
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|=、_   ぐヽ、       '''':::::     ).ヾ\.. . ヽ;;:::'|  い  :   :
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2014年9月14日日曜日

リチャード・キールさん、天国に昇る




※今回の話は 映画007の「私を愛したスパイ」と
「ムーンレイカー」に関するネタバレが盛大に含まれています。

内容は単なる個人的な日記で、大した話は書かれていませんので、
まだご覧になられていない方はお読みになられませぬようm(_ _)m










虫の知らせ、だったのかもしれません。



先日、自分の誕生日祝いに、映画「007」シリーズ22作品が収録された
「007 50周年記念 ブルーレイDVDBOX」を買いました。

(※他にボーナスディスク1枚あり、ただし残念ながら大人の事情により
「ネバーセイ・ネバーアゲイン」だけはやっぱり入っていません)



俺は今までブルーレイのDVDというものを一度も見た事が無かったんですが、
(我がレグザPCで見られるという事をすっかり忘れていた)
まずは大好きな「ムーンレイカー」を真っ先に大はしゃぎで鑑賞、
そしてそのあまりに美しい画像に激しく驚嘆し、猛烈に熱気が漲ったので



「大変だ大変だ!!ブルーレイって、なんかすげえ綺麗だぞ!!


『ムーンレイカー』がつい最近撮影されたかのようにむちゃくちゃきれいで、
ジョーズの鋼鉄の歯も、今までで一番キラキラと輝いていますよ∑(゚Д゚;)!!
うおあー!!!」



というような文章の骨格を夜中に書きなぐり、朝起きて朝刊を開いたら、
リチャード・キールさんの訃報が目に飛び込んできました。











以前似顔絵を載せた事があるので
なんとなくお気付きになった方もいらっしゃるかもしれませんが、
俺は007の「私を愛したスパイ」と「ムーンレイカー」に登場する
リチャード・キールさん扮する「不死身の殺し屋・ジョーズ」が、
もう本当に、すっげぇ大好きなんです。





Richard Kiel as 'Jaws' in 007 The Spy Who Loved Me/Moonraker
「007のジョーズ」







・・・・・・ジョーズがあまりに好きなので
以前アメリカの映画プロップ(小道具)専門店から送ってもらった
こんなものも、実は密かに持っていたりします。





007 ジョーズの歯(レプリカ)
「007 ジョーズの歯(レプリカ)」



ジョーズの「鋼鉄の歯」のレプリカ。



Factory Entertainmentが実物を元に精魂込めて作り上げ、
「どこから見ても本物と見分けがつかない出来栄えだよ」とかなんとか
自信満々に胸を張るダンジャックLLCとイオンプロの公式ライセンス品で
リチャード・キールさんの直筆サインが添えられています。


世界限定715個だそうで、(俺の他にこれを欲しがる人が世界に714人もいるんだろうか、
という話は置いといて)
俺にとっては超大事な、自慢のコレクションの一つです。











建造物が崩壊して下敷きになっても死なない、
走行中の列車から投げ出されても死なない、
乗っている車が崖から落ちて炎上しても死なない、
人食い鮫に襲われても死なない、
飛行機からパラシュート無しで地上に落下しても死なない、
乗っているロープウェーが地上駅に激突、駅ごと大崩壊しても死なない、



なにがあっても全然死なない。絶対死なない。



ただし射撃と人殺しだけはあんまり上手じゃない、至高の殺し屋、ジョーズ。



こんなに安心して観ていられる悪役、アニメやゲームならともかく、
実写映画の世界では他になかなかいないんじゃないでしょうか。





007は、主人公&ボンドガールと共に、悪役達も最高の華。


ロジャー・ムーアさんのド派手なチャラ男キャラに呑まれる事なく
強烈な印象と演技で007を濃厚に盛り上げまくったリチャード・キールさん、
どうぞ天国でもお元気でお過ごし下さい。





・・・・・・いや、きっとジョーズの事だから
そのうち天国の雲をうっかり踏み抜いて
地上にドカーンと落下してきちゃうかもしれないな。





もちろんその時はむっくりと起き上がり、
ニヤリと笑った口元から、キラリと輝く鋼鉄の歯をのぞかせて。









2014年9月1日月曜日

夏の夜は カメラぶら下げ 夕涼み   ~夜景撮影その2 根岸競馬場編~




 さてと、暑い夏の盛りには、お日様が沈む頃、夕涼みのついでにカメラを持ってブラリと出かけても
綺麗な写真が撮れて楽しいですよ、というお話など、その2です。



今回は夜景と言いつつ、イルミネーションやライトアップなどの華やかな夜間イベントとは無縁で、
すごく素朴な、でも、個人的に大好きな場所。


神奈川県の横浜市にあります「根岸森林公園」、という所です。



いつも紹介する他の観光名所は「ぜひ遊びに行ってみて下さいね」なんておすすめしてますけど、
ここは公園に限らず、この地域周辺の柔らかくてゆる~い空気感や、ほどほどの人出などが絶妙に落ち着いて
なんだかとても居心地の良い、お気に入りの癒されスポットなので、皆様方は別に来なくていいです(;´∀`)





根岸森林公園の夕暮れ
「根岸森林公園の夕暮れ」











 今まで写真を載せたりネタにする事は多分無かったと思うんだけど、昔っから新しいカメラやレンズを手にすると
いつもここ(とその他数か所)で必ず試写をするのが、何故か俺の中で伝統の儀式になってます。


ここは根岸線の根岸駅からも、山手駅からも、路地のような上り坂をゆるゆると歩き続けて20分ぐらいかな、
(どっちの駅からも、この上り坂がまた、すごく良い坂なんだよね(^^))


中華街や山下公園、みなとみらい地区などの、いわゆる「横浜の観光地」からは大分離れているので
観光客さんはあまりおらず、どちらかと言うと、主に地元の方達がのんびりされてます。


公園に着けば、まあるい丘のてっぺんに青々と一面の芝生、頭の上にどこまでも広い広い空、
そしてぽかーんと開けた天と地の間でいつも変わらず待っていてくれるのが、根岸の三長老。





根岸競馬場 そろそろ日が暮れる
「根岸競馬場 そろそろ日が暮れる」



根岸競馬場、一等馬見所跡。



この訪れる人を惹きつけてやまない、重厚で魅力あふれる建物の建設が始まったのは1929年(昭和4年)ですが
そもそも一番最初、ここに競馬場を作ったのは、なんと徳川幕府なんです。


そして横浜に競馬場を作ろう、という話が最初に持ち上がったのは幕末の1862年にさかのぼります。



当時、横浜居留外国人さん達の間では乗馬が大ブーム、
現代で言うサイクリングのように遠乗りを楽しんでいたらしいんですが、
ある日英国人グループがお馬さんで遠乗り中、狭い街道の向こうから大名行列がやってきました。


この行列の主は、薩摩藩の最高権力者、島津久光公。
(今上天皇の母方のひいひいおじいちゃんにあたります)


大名行列の先頭の人達は「あんたら馬から降りて道を譲って!!」と、身振り手振りで伝えようとしたらしいんですが
英国人の皆はビックリして慌てちゃったのか、馬に乗ったままオロオロと道の端に寄りつつ行列とすれ違おうとした所、


「馬から降りない無礼者!!」


と、薩摩藩の武士達に斬られてしまい、一人が亡くなられてしまいました。



この出来事は、後に「生麦事件」と呼ばれます。



元々攘夷思想が世に渦巻き、外国人さん達がしょっちゅう襲われていたこの時代、
生麦事件にいよいよ激怒したイギリスは


「居留地の外では普段からむやみやたらと襲われるし、これじゃ危なくて全然乗馬ができないじゃないか!!
こうなったら生麦事件のお詫びも兼ねて、横浜居留地の近くに、乗馬も娯楽も両方楽しめる競馬場を作りなさい!!」


と、徳川幕府に対して賠償金の支払いと共に、競馬場の建設を押し付けたのでした。



・・・・・・さすが、桶狭間の戦いより20年前には
既に第一回競馬が開催されていた近代競馬発祥の国イギリス。


要求の中に、とても濃厚な「馬への愛」がギュッと詰まっていますね。











 この二年後(1864年)、会津藩と薩摩藩により京都を追い出されてしまった長州藩は頭にきて、
いわゆる「蛤御門の変」と呼ばれる京都市内での市街戦をやらかしてしまいます。


そして根岸競馬場の建設が始まった1866年(慶応二年)、徳川幕府は「蛤御門の変」の責任を取らせるため
長州藩相手に「第二次長州征討」という戦争を仕掛けたんですが、逆にボコボコにされて逃げ帰っちゃったので
「…あれ?最近の徳川幕府って意外と弱くね?」と、みんなにバレ始めてしまいました。


この頃、京都では新撰組が街中に睨みをきかせ、「鬼の副長」土方歳三さんが
やがて「日本資本主義の父」と呼ばれる、当時はまだ幕府陸軍所属だった若き日の渋沢栄一さんと共に
謀反の恐れがある人物の取り締まりなどを行っていました。


更に年が明けて1867年(慶応三年)の1月には居留外国人さん達に向け、
ついに根岸競馬場で最初の競馬が開催されたそうです。





根岸の長老 今宵も星を見上げている 640×452px
「根岸の長老 今宵も星を見上げている」











 これは完全に余談ですが、ここで最初の競馬が開催されたのとちょうど時を同じくした慶応三年一月の元日、
京都で皆から恐れられていた新撰組はどんな様子だったかと言うと・・・・・・。



頭脳明晰にして尊王思想のカリスマ、当時はまだ新撰組の参謀だった伊東甲子太郎さんを筆頭に
二番隊隊長の永倉新八さんと三番隊隊長の斎藤一さん、仲間の皆さんなどが
京都の揚屋さん(宴会のできる料亭)にてお正月祝いでベロンベロンに酔っぱらい、
「門限までに帰らないと切腹」という新撰組鉄の掟を完全に無視、



「近藤のヤロ~、最近すっかり調子に乗っちゃって、俺らを家来扱いしやがって~」「そうだそうだ~☆」

「どうせ切腹決定なんだからバンバン飲んじゃおうぜ~」「うぇいうぇ~い☆」



というような近藤勇局長の悪口で大いに盛り上がった・・・・・・かどうかは知りませんが(;´∀`)、
ともかく彼らは元旦~四日まで揚屋さんに延々と居座り、そしてひたすら飲み続け、
ようやくヨレヨレの千鳥足で帰ってきた三人を見た新撰組局長・近藤勇さんはもちろんマジギレ、
しかしさすがにこの三人を切腹させるわけにはいかないのでお説教を喰らわせて謹慎処分、という珍事がありました。

(参考:永倉新八さんの「新撰組顛末記」や菊地明さんの「土方歳三日記」より、セリフはもちろん創作です。

司馬遼太郎さんの「燃えよ剣」がものすご~~~く好きで、この時代はつい「燃えよ俺」になってしまうので
今回の脱線話は、いつもより一層クドくなってしまいました、失礼m(_ _)m

この後、果たして新撰組の面々がどうなっていったのかは・・・・・・是非「燃えよ剣」をお読みになって下さい(^^))


この年の10月には徳川慶喜公が大政奉還を上奏、11月には近江屋で坂本龍馬さんと中岡慎太郎さんが襲われ
更に翌年の慶応四年になると新政府は江戸を「東京」と改名、年号も改元され「明治元年」となり
日本にとって、とても大きな変化が巻き起こり始めます。











 この後日本は急激な速さで変わって行く時代の荒波に呑み込まれ
やがて第二次世界大戦が酷くなった1942年(昭和17年)に根岸競馬場は競馬を終了、
1945年(昭和20年)の終戦後には米軍に接収されますが現在は日本に返還され、あとはみなさんご承知の通り。



日が落ちて辺りがすっかり真っ暗になっても、
のんびりワンコの散歩をされる方やジョギングされる方がいらっしゃったり、
米軍施設の子ども達が笑いながらバスケを楽しんでいたり、
自転車に乗ったお姉さんが透き通った控えめな声でニコニコと、中国語の鼻唄を口ずさみながらすれ違って行ったり。



みんなが安心して夜を楽しめる時代になった国際都市・横浜の街を、
まあるい丘の上から、きっと万感の思いを込めて、今日も根岸の三長老は穏やかに見守っています。





今日も更け行く横浜の夜を 長老達は見守っている 1024×724px
「今日も更け行く横浜の夜を 長老達は見守っている」












根岸競馬場の夜 2 1024×724px
「根岸競馬場の夜 2」



 ずいぶん長話になってしまいました、歴史に興味の無い方、ほんとごめんね( ;´Д`)



さて、一応夜景撮影の話もしますが、上の写真など
(かなり見辛いと思いますが)星がたくさん写っているのがご覧になれますでしょうか。


(画像を何度かクリックすると、もう少しだけ大きい写真もご覧になれます。

元の巨大画像だと、どこの写真鑑賞用サイトにアップロードしても空の滑らかなグラデーションが劣化、
色の境い目がガッタガタになってしまうので、今回は写真を小さくリサイズしました)



この撮影時に肉眼で空を見ても、星なんか一つも見えませんし、
建物も真っ黒けで、撮影した後に液晶画面で写真を見るまでは、ピントも構図も全くわかりません。


それでも、もちろん三脚は必須なんだけど、(参考までに 上写真の絞り:f 2.0、シャッター速度:10秒、ISO:100 です)
肉眼では全く見られない、とてもほのかな星の光も、真っ暗な建物にほんのわずか届いているだけの外灯の光も、
10秒、20秒、30秒・・・と長くシャッターを開け続け、カメラの中へと静かに集め続ければ
集めた光をその姿に浴びて、写真の中に浮かび上がらせる事ができるんですね(^^)





三賢人の頭上に星が降る夜
「三賢人の頭上に星が降る夜」




 最後に、上の写真に関して。



ここであんまり手品のネタばらしみたいな事は言いたくないんだけど、
もしもすごく真面目な方が写真のタイトルをご覧になって気にされるといけないので、一応書いておきます。


この流れ星のように見えるもの、実際は恐らく人工衛星です。


艶消しな話はしたくないしめんどくさいので端折りますが、写り方、明るさと時間、位置から見て
多分JAXAの「陸域観測技術衛星「だいち」(ALOS)」あたりじゃなかろうか、と思います。



(人工衛星の位置情報がわかるサイトに移動します。

Heavens-Above 人工衛星位置情報がわかるサイト

例えば「明るい衛星の日毎の予測」というコーナーをご覧になられると、夕方から夜にかけて
毎日こんなに数多くの人工衛星が頭上を通り過ぎているのか、とビックリされるんじゃないでしょうか)



それでも、実際はどうであろうが、写真として見れば、「根岸の長老たちと流れ星」って、
どうです、なかなかロマンチックでしょ?


夜景撮影と言えばイルミネーションやライトアップで彩られた数々の素敵な建造物が思い浮かびますが、
そうした華やかさとは無縁の、夜、闇に包まれるような場所では
逆に「空一面に瞬く星達」という、最高にリッチな背景を使う事ができますので
皆様方も是非、一見明るさが全然足りないような所でも、試しにカメラの中へ光を集めてみて下さいね(^^)