2016年8月15日月曜日

おみそへ

※最初から最後まで私的な暗い話です。








2016年の七夕の日に、ずっと心の拠り所だった猫のおみそがあの世へ行ってしまい、
もう本当にどうしていいかわからないので、とりあえず、おみそが好きだったラッパを吹いた。








ついでに、2014年末に自分用クリスマスプレゼントとして突然テナーサックスを買ってから
約一年半、独学で休日なんかにブカブカ吹いていたら大体これぐらい吹けるようになった、という
実験の実証記録データも兼ねて動画を録画して乗せておくけれども、
食欲も湧かず、頭も回らず、体も心も最悪の不調な中、
聞くだに、ほんとうに酷い、「演奏」とまでいかないレベルの下手糞さだけれども
でもこれが今の俺にできる限り精一杯なのでしょうがない、ただおみそに届け、届け、と、
それだけの為に吹いた。





おみそは、ロングトーンやスケール、コードの上げ下げを練習している時は
すっげぇニガ~い顔をして速攻でどっかへ逃げちゃうくせに
この曲に限らず、いや、JAZZでもクラシックでもJPOPでもムード歌謡でも演歌でも、
とにかく「曲」を吹き始めると、いつの間にか俺の足元でくるんと丸まって
聞き耳たてながら眠っていて、


「おみそはこんな近くにいて、うるさくないんだろうか・・・・・・
あるいは猫と人間では可聴領域や音圧の感じ方に差があるんだろうか」


などと演奏中にモソモソボンヤリ余計な考え事をしていると、いつの間にか
楽譜の中に細かい音符の羅列が迫ってきて指が回りきらずアババババ・・・→やり直し、
そして何時間か吹いて唇ブルブル息ゲヘ~ゲヘ~させて床に座り込むと
すかさずおみそがヒザにドスドスと乗ってきて


「なでなさい さあ なでなさい」


というのが、いつもの風景だった。





俺は、良い事も悪い事も、一度覚えてしまった事をなかなか忘れる事ができない陰湿な性分で、
時々、なにかのはずみに、幼稚園に入る前から今に至るまでのとても嫌な出来事や
普通なら「くっだらねぇ」とあっさり忘れてしまうんであろうほんのささいなミスや悪い出来事なども
たった今、そこにいて、それが目の前で起きているかのように生々しく
怒涛のフラッシュバックを起こすことがあって、そうなっちゃうとどうしても
それに意識を全部持って行かれて、機能停止してしまう事があるんだけれども、
そんな「うあうあの石化状態」の時、座っている俺のヒザの上におみそがドスドスと乗ってきて


「なでなさい さあ なでなさい」


と、あの巨大な顔を俺の鼻にグイグイくっつけ、若干寄り目になりながら
悪夢の過去の世界に無理やり割り込んで来て、何事も起きていない、
おみそのいる平穏な現在の現実世界へと、意識を強引に引きずり戻してもらった事がよくあった。





なにしろ俺は、ぐるぐると螺旋を描くほどに捻じ曲がり過ぎた性格なので
今まで一度も死んだことのない坊さん達があの世やら魂やら輪廻やらについて語るのを聞くと、
今まで一度もフランスに行ったことのないおっさんが


「いやぁ~ パリはいいよぉ~ パリは」


などと飲み屋で熱を持って語っているかのような
いかがわしさを感じずにはいられないんだけれども、

最近、部屋の照明がブツン、ブツン、と消えて一瞬真っ暗になったり、窓がバタタタッと叩かれたり、
沖縄で撮った猫の写真を入れてあるフォトスタンドが突然飛んで床にボゴン、と落ちたり
玄関に置いてあるサンダルの足底部分の凹んだ所に水が満々と満たされていたりして
すっかり身軽になったおみそが、好き勝手にやんちゃしているのかなぁ、
今、「アロマの時間」という、支配階級向けであろう超高級トイレットペーパーを使っているので
トイレットペーパーをしっちゃかめっちゃかに引っ張り出すのだけはやめて欲しいなぁ、
なんて思っていて、


生命体としての活動が終息して、見かけ上、肉体の分子間の結合が解けてしまっても、
もしかして、現在の機器では観測することのできない、心とか、魂とか、そういう
なにか、気持ちが溶けて混じった空の集まり、のようなものがあるのかもしれない、としたら、
それが、空のずっと上か、それとも無精な猫だったので、意外とまた俺の足元で
くるんと丸まって眠っているのかもしれないけど、とにかく、どこかにあるかもしれない
おみその心に、気持ちでも、音でも、なにか、届くといいなぁ、と、思う。


できる事ならば、悪霊でもゾンビでも良いから、とにかく成仏なんぞしないで
傍にいて欲しい。


もし生まれ変わりというものがあるのならば、一秒でも早く生まれ変わって
また俺の元へ大急ぎで戻って来ておくれ。




うれしいおみその写真
「うれしいおみそ」










2 件のコメント:

  1. おみそちゃんのお顔、どことなくうちのらっちゃんに似てるわぁ。
    本当に心の拠り所だよね。 根が暗い人間にとっては(私もそうなんだけど)、わんこの無邪気さについて行けない時があって、猫さんがやっぱりちょうどいいんだよね、パートナーとして。

    すぐに生まれ変わるかどうかはわかんないけど、どっちにしろりうさんのこと心配で見守ってるさ。

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    1. 猫は本当に自分最優先で好き勝手に過ごすから、
      逆に、だから絶対に嘘が無い、という信頼感や程好い距離感にもなるし、
      言葉なんか一切なしでお互い幸せに暮らせるもんね。

      わんこは、最近捨て犬を見ないから、もう、一緒に暮らす事はないかなぁ、と思うけど
      あの「心の底から信頼しています」という純粋無垢で真っ直ぐなまなざしに
      我が濁った心が耐えられず、思わず目を逸らしてしまう事があるよ(;´∀`)

      まぁ犬にしろ猫にしろ、心通わせて無条件で信頼できるパートナーとしては
      人間なんかよりはるかに信頼できるもんねぇ( ;´Д`)

      うん、ありがとうありがとう。

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